アーティストとしての鹿目尚志
1988年以来ガラス、アルミ、鉄、和紙、繊維、木、ペーパーモールドなど様々な素材の表情を自在につかい自らの作品を意欲的に制作。展覧会に参加、あるときは自ら主催する展覧会に出品し、デザイン、クラフト、アートの世界に刺激をあたえる実験的な作品を数多く残してきました。
“ 最果ての地、厳冬の根室原野。
黒々と横たわるオホーツク海に「兎が走る」といわれる波がしら。無限に広がる枯草の大地に、暗い雲間がひび割れて、光のスポットライトが枯草を赤く燃えたたせる。モノクロームの世界に一瞬狂気の色彩が飛ぶ。僕はそんな根室で生まれ育った。
生まれたての子豚を取り上げ、そのなま温かい肌のぬくもり。かわいい小馬の鼻の不思議な優しさ、柔らかさ、小鳥の巣を発見し、取り出した雛のグロテスクな目とお尻の丸みの不気味さが、今でも僕の掌に刻印されている。
これらの原風景が、常に僕の造形の根っこの部分にあるようだ。 −鹿目尚志 ”